SEOについての知識がつき、いくつかの施策を試して少し効果が出てくると、サイトの掲載順位をもっと上げたいという欲求が出てくると思います。SEOには多くの施策があり、1つの施策の実行方法も様々あるために、時間と費用さえあればいくらでも出来てしまうかもしれません。
もしかすると、一日中SEO対策をし続ける人もいるでしょう。
しかし、検索エンジンの裏をかくような度が過ぎたSEO対策には十分に注意するべきです。なぜなら、せっかくの対策が逆効果になってしまう恐れがあるからです。
検索ユーザーが自分にとって有益な情報をできるだけ早く見つけることができるようにするというのが、検索エンジンがアルゴリズムを設計するうえでの基本的な考えかたです。
そのため、この方向性からそれてしまっている対策は、もし一時的に効果があったとしてもすぐに対策されて効果がなくなります。
効果が出なくなるだけならまだしも、サイトを検索結果から消されたり、ドメイン内のページすべての順位を落とされたりといった制裁につながる可能性があります。
ペナルティの対象はスパム行為
「ペナルティ」という言葉をご存知でしょうか。日本語では「罰則」と訳され、よくスポーツの試合に出てくる言葉です。ルールを破ると、このペナルティが課されます。
実は、検索エンジンのルールにもペナルティが存在します。このペナルティの対象は、SEOの世界で別名「スパム」とも呼ばれ、スパムとみなされた行いのことを「スパム行為」といいます。では何がスパム行為にとなり、ペナルティを受けてしまうのでしょうか。
SEOの世界では、上に述べたように検索エンジンの掲載順位を上げるために躍起になって過剰に対策を行う人が存在します。そんな「度の過ぎた対策をすること」が検索エンジンからスパム行為と認定される行為なのです。
ペナルティを受けるとどうなる?
実際に検索エンジンからスパムであると認定され、ペナルティを受けるとどのような罰則があるのでしょうか。それは、至って単純かつ悪質なWebサイトを排除するにあたって効果的なものです。SEOにおいて最も重要であり、対策実行者が望むものをはく奪します。そうです、検索エンジンからペナルティを受けると
のです。
検索結果の掲載順位を上げたくて頑張ってSEO対策を行っているのに、そのフィールドから退場させられてしまうのでは、泣いても泣ききれません。まさに、これ以上ない強力な罰則です。
ペナルティを受けて検索順位が急落した例
ペナルティの種類を確認する方法
検索エンジンが無数にあるサイトを確認してスパム行為の有無を判断する方法は、大きく2つの方法に分かれます。
1つは検索エンジンのアルゴリズムによる自動判断です。検索エンジンのアルゴリズムは、主にサイトの掲載順位変化に作用しますが、同時にスパムを発見しペナルティを課す役割も担っています。たとえば、他のサイトの情報を大量にコピーして掲載しているサイトや、中身のコンテンツが何も無い状態で日本全国の地名ごとのページを作っているサイトなどがアルゴリズムによって検索結果から除外されます。
もう1つのスパム行為判断は、目視によって行われます。例えばGoogleであれば、Googleのスタッフがこの目視判断を行います。目視判断によって、アルゴリズムによる自動判断で拾いきれない部分を補完することができます。
Googleのサーチコンソールというツールを使うと、ペナルティの内容について調べることができます。ただし、かならず内容が表示されるわけではありませんので注意してください。
最近では、明確なスパムでなくてもコンテンツの質が低いといった理由でペナルティの対象となってしまうことが増えてきています。そのため、楽して大量のページを作成してアクセスを集めようとする行為が逆効果になりえます。
ペナルティ解除方法は判断方法で異なる
万が一スパムと判断されてペナルティを受けてしまったら、まずはそのペナルティを解除するために対応することが必要です。そのためにペナルティが課されている事実と理由を知ることが必要ですが、この段階の対応方法はスパムと判断された方法によって異なります。Googleの例で説明します。
目視によってペナルティが課された場合、Googleのサーチコンソールに通知が届きます。その手動対策欄でペナルティの理由と対象のページを確認することができます。ペナルティを解除するためには、その内容に沿って対応を行います。目視のペナルティの場合は、ペナルティの理由となった部分を修正して再審査を申請することで、解除を行うことができます。
一方、アルゴリズムによる自動ペナルティが課されてしまうと、少し厄介な面があります。自動ペナルティは課されてもサーチコンソールに通知が届かず、ペナルティが課されている事実確認はサイト運営者自身が行わなければなりません。通知が届かないため、ペナルティの理由も自分で発見することになります。さらに、自動ペナルティでは目視のペナルティのように再審査申請ができません。よって、ペナルティの対象箇所を修正した後は、アルゴリズムの再判断を待つことになります。
リンクの否認
不自然なリンクを貼られるとそれが自分で行ったものでなくても順位を下げられてしまうことがあります。
そのため、不自然なリンクがついている場合には、サーチコンソールの機能を使って、そのリンクが自分では対処しようがないものだということをGoogleに伝える必要があります。
リンク否認の方法については以下に詳細がまとまっていますので参照してください。
バックリンクを否認する – Search Console ヘルプ
スパムの種類
最後に、どのようなことを行うとスパムと判断されペナルティを課せられる可能性があるのか、いくつか例を紹介しましょう。これらのことを少しでも行うと即ペナルティとは言い切れませんが、そうなる可能性も十分あるのでなるべく避けるようにすることが賢明でしょう。
キーワードの詰め込みすぎ
キーワードの詰め込み過ぎはスパムとみなされがちな典型的な例の1つです。SEOではキーワードが重要とはいえ、やりすぎは避けましょう。
隠しテキスト
ユーザーのことを考えず、検索エンジンにだけPRしようとして隠しテキストを大量に詰め込むとスパムとなる場合があります。サイトの本来の目的はユーザーに見てもらうものです。
CSSを使ったもの
文字情報をCSSを使ってユーザーから隠すことです。これもユーザーを無視した行動とみなされます。
クローキング
クローキングとは検索エンジンのロボットとユーザーに別々のページを見せることです。これがペナルティを受けるのは当たり前に思えます。
リンクファーム
関連性の薄いサイトからのリンクが大量にあるとスパムとして扱われる可能性があります。ただリンク数を稼ぐためにやってしまいがちな行為です。
ペナルティを受けるリンク
ページランクや検索順位を操作するため意図的に設置したリンクはガイドライン違反です。特にリンクの売買などがこれにあたります。
ワードサラダ
ユーザーにとって意味不明な文章です。これも、ユーザーのことを考えない検索エンジンに対するPR目的の文章とみなされます。一方で、意味不明な文章かそうでないかは中々判断が難しいため、Googleも完全に排除しきれていないといわれています。しかし、万が一見つかればスパム認定の可能性は高いものです。
他のサイトからのコピー、スクレイピング
他のサイトから情報を勝手に転載していると、それを検索エンジンが理解して検索結果から排除します。
スクレイピングとは、他のサイトの構造を把握して、情報をプログラムで自動で抜き出す方法のことです。
複数のサイトから情報を集めてきて、独自性のあるような見せ方をすることでペナルティを避けようとする方法があり、一部まだユーザーにとって有益とみなされてペナルティを受けずに残っていることがありますが、検索エンジンはユーザーの最終的な目的をできるだけ早く返すことを目的としているため、将来的には引用元のサイトがより上位になると考えられます。そのため、長い目で見るとアクセスが集まらなくなる方法です。
noframeタグ
noframeタグ内のテキストは見えないということを利用して、大量にキーワードを埋め込むことはスパムとみなされる行為です。
noscriptタグ
noframeタグのスパムと原理は同じものです。
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